2022.02.20

「パッシブハウス」と「パッシブデザイン」環境先進国ドイツ発の超省エネ住宅という考え方

最近、注文住宅では「パッシブハウス」や「パッシブデザイン」という環境先進国であるドイツの新しい考え方が取り入れられるようになってきました。パッシブ(Passive)とは、「消極的・受動的」という意味です。パッシブの反対語は「アクティブ=積極的・能動的」です。これだけ聞くと難しく思えますが、簡単にいえば、「自然の力を受ける(利用して)夏は涼しく、冬は暖かい家」を実現する設計手法ということです。パッシブハウスとパッシブデザインは、似ていますが、意味が異なるので、その違いを詳しくご紹介したいと思います。安全かつ健康で省エネな「超高性能住宅」を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

パッシブハウスとは?環境先進国ドイツの家の省エネ住宅の考え方

パッシブハウスとは、ドイツの物理学者・ファイスト博士が1991年に発案した住宅理念(省エネ基準)で、最小限のエネルギーと自然エネルギーを生かして快適に過ごせる住宅を目指すということです。パッシブハウスと謳うには、下記の3つの項目で一定の基準を満たすと「パッシブハウス」と認定されます。ここで覚えておいてほしいことは、認定制度があるということです!

「冷暖房負荷(年間)」

「気密性能」

「一次エネルギー消費量(住宅全体)」

パッシブハウスジャパンという団体がパッシブハウスの基準を下記のように明記しています。

厳しい燃費の基準を乗り越えた家のこと。 断熱材や高性能な窓、熱ロスの少ない換気システムなどを駆使して、 寒さや暑さをガマンしない、快適さを生み出す家。 自然の力を最大限利用し、少ないエネルギーで、快適な暮らし。 日本の気候風土を利用した燃費の基準を、パッシブハウスジャパンは示します。

引用:PASSIVE HOUSE JAPAN

これらのポイントを組み合わせて、自然のエネルギーだけで快適な暮らしを実現してくということですね。

PASSIVE HOUSE JAPAN

Youtube|90秒でわかる、パッシブハウス。

パッシブハウス認定には、非常にお金と時間がかかる。

パッシブハウス と認定してもらうためには厳しい基準があるため、日本国内で認定されている家は、まだ20棟程度しかないと言われています。(過去10年間で新築の数は900万棟いるのに!)

下記の3つの厳しい基準を乗り越えないといけない!

年間暖房負荷を15kWh/㎡にする

50Paの加圧時に漏気回数が0.6回以下の気密性能がある

家電を含んだ一次エネルギー消費量が120kWh/m2以下である

3つの厳しい基準を乗り越えさらに、一般社団法人パッシブハウス・ジャパン研究所の省エネ建築診断士によって設計監理されなくてはいけません。それでようやく、「パッシブハウス」と名乗ることができるんです。時間とお金がとてつもなくかかってしまいます。

パッシブハウスの考え方を取り入れたパッシブデザインという選択

ここまでパッシブハウスについてお話してきましたが、一般人が建てるには、厳しい条件だということがわかりましたね。じゃあ、ここまでしないといけないのかというとそうではありません。

そこまではいかないけど、パッシブハウスのような住宅を建てたいという方に「パッシブデザイン」という選択があります。こちらはパッシブの考え方、理念をもとに作られた建築デザイン設計です。光、風、熱といった自然エネルギーを利活用したパッシブデザインの住宅には、以下の5つの要素が重要になってきます。

 

1.断熱性能

2.日射遮蔽

3.自然風利用

4.昼光利用

5.日射熱利用暖房

細かいパッシブデザインについてはこちら↓↓

自然エネルギーを取り入れた「パッシブデザイン住宅」のおすすめポイント

この5つの要素を取り入れることでパッシブハウスのようにしっかりと設計段階でシミュレーションをし、真冬は太陽熱エネルギーを取り入れ室温を上げ、夏は、太陽熱を遮ることで室温を下げる設計をすることで「出来るだけ機械に頼らない住宅」パッシブデザイン住宅(パッシブ設計)を建てることができます!

パッシブデザインの家を建てるメリットは?

パッシブデザインは、自然のエネルギーを活用・コントロールするので夏は涼しく、冬は暖かい快適な温度で過ごすことができるのでヒートショックなどの健康被害のリスクを減らすことができるメリットがあります。

パッシブデザインにおけるデメリットや注意点

パッシブ設計がいかに世界基準で健康にも環境にもいいことがわかりましたが、デメリットもございます。それはやはり、「建築コストが高くなる」ということです。パッシブ設計を実現するためには、家自体も高性能ではなくてはいけません。パッシブハウスだとさらに超高性能の建材が必要になるので気軽に買える家ではなくなります。パッシブハウスジャパンのHPにも予算のことについて触れていました。平屋だと外気に触れる面積が多くなるため、平屋でパッシブハウスは、さらにコストがかかってしまうようです。

Q.(パッシブハウスの)予算ってどのくらいなの?
A.プラス15〜20%ですが、工夫次第で削減できます。

15%〜20%のコストアップが相場です。しかし、パッシブハウスは、年間暖房負荷を15kWh/㎡にする、という決まりしかないですから、内装を簡素にすれば安くすることができます。工務店、設計事務所ごとに様々なポリシーがありますので、ぜひ相談してみてください。ドイツでは15年前に+10数%から始まり、今は+5%くらいです。今後は日本でも、少しずつ安くなっていくと思います。

引用:PASSIVE HOUSE JAPAN|よくある質問

まとめ-パッシブデザインは年中快適でエコな次世代の住宅

パッシブハウスとパッシブデザインの違いはおわかりいただけましたでしょうか?

パッシブハウスは、究極の省エネ住宅ですが、お金も時間もかかってしまいます。パッシブデザインなら、究極の省エネのパッシブハウスの考え方で「出来るだけ機械に頼らない住宅」を建てることができます。私たち北山建築では、三重県松阪市・津市・伊勢市でパッシブデザインを使い明るく開放感のある快適なお家を数多く手がけています。自然のエネルギーや環境に配慮した快適なお家づくりにご興味がある方は、ぜひ経験豊富な北山建築にご相談ください。

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