2024.06.23
自然エネルギーを取り入れた「パッシブデザイン住宅」のおすすめポイント
皆さんは、「パッシブデザイン」という言葉を聞いたことはあるでしょうか?パッシブデザインとは、自然エネルギーを最大限に利活用し、少ないエネルギーで快適な室内空間と暮らし心地を実現する住宅の設計手法で、近年、そんなパッシブデザインを取り入れた住宅に注目が集まっています。今回は、パッシブデザインを取り入れた住宅を設計していくために重要なポイントについて紹介していきたいと思います。
パッシブデザインとは?
パッシブデザインは自然エネルギーを使った設計手法
パッシブデザインとは、自然エネルギーを(光、風、熱)を最大限に活用し、より快適・健康に過ごせる建築設計の考え方と設計手法のことです。
エアコンなど機械が作り出す暖かさや涼しさではなく、太陽の光、熱、風といった「自然エネルギー」によって、居心地のよさを作り出していくところが特徴です。自然の力を活用して、夏は涼しく、冬は暖かい家にすることで、省エネ・快適・健康を両立することができるのです。
「パッシブハウス」と「パッシブデザイン」の違いについてはこちらから↓↓
夏に涼しく冬に暖かい家づくりが可能なパッシブデザイン
パッシブデザインの基本である「光」と「風」と「温度」をデザインすると、夏涼しく、冬暖かい家づくりが可能になります。
夏は、室外の熱さを入れず、室内の涼しさを逃さない家に。
冬は、室外の寒さを入れず、室内の暖かさを逃さない家に。
そんな心地よさを実現するためには、採光、風通し、日射熱利用を考慮して設計して行くことが重要であると言われています。
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パッシブデザインの5つの要素
パッシブデザインを取り入れた住宅を設計していく際に気をつけたいポイントを詳しく見ていきましょう。
光、風、熱といった自然エネルギーを利活用したパッシブデザインの住宅には、以下の5つの要素が重要であると言われています。
1.断熱性能
2.日射遮蔽
3.自然風利用
4.昼光利用
5.日射熱利用暖房
それぞれがどのようなポイントに考慮して設計されているのか紹介していきたいと思います。
1.断熱性能
健康にも良い断熱性能の高い家
1つ目にご紹介するのは、「熱」のエネルギーを利活用をしたパッシブデザイン住宅のポイントです。
一般的には、「断熱性能」という言葉が広く知られていると思いますが、断熱性能の高い家は、言葉通り、寒い冬の暖かさ、暑い夏の涼しさに直結しますよね。
居心地の良い住環境を作り出すためには、断熱性能の高さは欠かせません。
それに加えて、最近では、断熱性能の高い家で過ごすことは健康につながることも示されています。
日々の運動も大事ですが、実は毎日を過ごす家の断熱性能も健康にとっては大事なのです。
地域により異なるUA値の基準
断熱性能を示す値に「UA値」という指標があります。「UA値」とは、「外皮平均熱貫流率」のことを指し、家全体の断熱性を表す数値です。
簡単にいうと、住宅の内部から、外部にどれだけ熱が逃げるかを表しています。つまり、この値が小さいほど、熱は逃げにくいので、断熱性能が高いということになります。
このUA値は、国が定める住宅・建築物の省エネ基準として決まっており、地域によってその基準値には差があります。
当社の建築エリアは、UA値の基準が0.6以下と定められた地域ですが、当社はこの倍近くのUA値0.46という数値の住宅を建てることが可能です。
2.日射遮蔽
日射を遮蔽して建物内に差し込む太陽光を調整
2つ目にご紹介するのは、「光」と「熱」の特性を利用したパッシブデザイン住宅のポイントです。
当社では、太陽熱を遮る為に、庇やシェードを窓の外につけ、夏の室温を下げるような設計をしています。
日射を遮蔽するための3つの設計ポイントをご紹介します。
可動式ルーバーで日射の調整
また、ルーバーの角度を変えることで、日射だけでなく風の通り道を調整することもできます。
このように、状況に合わせて可動するルーバーは、パッシブデザインの住宅を設計する際にはぜひ取り入れたいポイントです。
庇(ひさし)を工夫する
日照シミュレーションをしっかり行い、庇の長さをよく検討して設計することが重要です。
また、庇の先に『すだれ』などを取り付けることも、日射を調整する上では有効です。
スタイルシェード
こうすることで、冷房費を軽減でき、室内熱中症対策にも効果的です。
また、使わない時はすっきり収納することができ、シェードを引き下げた状態でもスマートでスタイリッシュなデザインなので、見た目も機能性もバッチリです。
3.自然風利用
空気の特性を生かして室内に風の流れを作り出す
続いては、自然の「風」の力を利用した、パッシブデザイン住宅の設計ポイントです。
空気には、暖かい空気ほど天井近くに上昇し、涼しい空気ほど床近くに溜まるという特性があります。この空気の特性を利用することで、建物内の風の通り道を作り出します。
いかに、自然の空気を利用するか、それがパッシブデザインの住宅には重要になってきます。
ポイントは、「窓の位置」と「シーリングファン」です。
夏の自然風を利用するための工夫
当社では、窓の設置位置を工夫します。
高い位置にある窓は、暖まった空気を外に出やすくするための役割があります。
逆に、低い位置にある窓は、涼しい空気を取り込むための窓になります。
このように、窓の高低差を利用し風の流れを設計することで、夏の暑い時期でもクーラーを使わずとも風の力を利用して建物全体を冷やすことができます。
冬の自然風を利用するための工夫
冬は、天井近くに溜まった暖かい空気を、いかに下の方に流すかが重要になります。
そんな時は、シーリングファンの利用が効果的です。
シーリングファンによって暖かい空気を下に吹き下ろすことで、足元の寒い空気と天井の暖かい空気を混ぜる効果があります。
このように、冬の寒い時期であっても、室内に溜まった風の流れをうまく作り出すことで建物内を暖めることができるのです。
4.昼光利用
照明をつけなくても昼間明るい家
4つ目は、「光」のエネルギーを利用したパッシブデザイン住宅のポイントです。
昼間の日差しを取り入れた室内、暖かくて居心地もいいですよね。
パッシブデザインの住宅設計においては、照明をつけなくても太陽の日差しで十分な明るさを確保できる、そんな家づくりが重要です。
日照シミュレーションも重要
昼光を最大限利用した家を設計するためには、日照シミュレーションは欠かせません。
周囲の建物も考慮し、季節別、時間別に建物内にどのように陽射しが入ってくるかを計算します。
トップライトや吹き抜けなども取り入れ、陽射しを生活の中心となるリビングやダイニングに取り入れるように設計することで、より住み心地の良い家に繋がっていきます。
5.日射熱利用暖房
熱を取り入れるための「窓」の設計
最後は、「熱」をうまく利活用したパッシブデザイン住宅のポイントです。
ここでは日射熱を利用した暖房について紹介していきます。
光を取り入れるための「窓」は、熱を取り入れるための「窓」でもあります。つまり、日射熱は室内を暖かくする上では欠かせない存在なのです。
そして、太陽光を窓からしっかり取り入れるために、ここでも日照シミュレーションは重要です。
シミュレーションの計算結果を参考にしながら、窓の大きさ、窓の位置をとことん考え抜き、太陽光エネルギーを最大限取り込むための設計をしていきます。
蓄熱暖房の仕組み
そんな日射熱を利用した暖房が蓄熱暖房です。
窓から取り入れた太陽の光をコンクリートに蓄熱したり放熱したりする仕組みを利用した暖房です。
昼間は、窓から取り入れた日射熱をコンクリートに蓄熱しながら、室内の温度を安定に保ってくれます。
夜間は、外気温の低下とともに蓄熱したコンクリートが放熱し、室温の低下を抑制する働きをしてくれます。
暖房器具を使うことなく、太陽光を活用して部屋を暖かくすることができるのです。
蓄熱暖房があればエアコンいらずで冬の朝夜も暖かい
蓄熱暖房を使えば、冬の夜間や朝方もエアコンを使わずに過ごすことができます。
下のグラフでは、蓄熱暖房を使った当社のパッシブデザイン住宅の室外温と室内温を比較したものです。
冬の明け方でも室温を15℃前後に保ったままの状態であることがわかります。
自然エネルギーを上手に活用し住宅を設計してあげることで、無駄なエネルギーを使うことなく家の中を快適に保つことができるのです。
まとめ
今回は、パッシブデザイン住宅とはどんな住宅のことか、そしてそんな住宅の設計ポイントをご紹介してきました。
パッシブデザイン住宅は、「光」、「風」、「熱」といった「自然エネルギー」を最大限に活用することが何よりも重要です。
「断熱性能の高い家」、「日射を上手に遮蔽した家」、「自然風を利用した家」、「昼光を利用した明るい家」、「日射熱を利用した暖かい家」。
皆様にも共感していただけるポイントが多かったのではないでしょうか。
自然エネルギーを利用した居心地の良い住宅づくりに興味がある方は、経験豊富な当社にぜひご相談ください。
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北山建築編集部
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