2026.01.20

「WB工法ってどうなの?」メリット・デメリットと向いている人を工務店目線で解説

WB工法に興味はあるけど「本当に快適なの?」「デメリットは?」と不安な方へ。
三重県松阪市の工務店・北山建築が、二重通気や形状記憶合金による自動開閉などWB工法の仕組みから、メリット・デメリット・向いている/向いていないケースまで、現場目線でやさしく解説します。高気密高断熱との違いも三重の気候をふまえてお伝えします。

はじめに|「WB工法って正直どうなの?」に答えます

  • 「WB工法って聞いたことはあるけど…」

  • 「本当に夏は涼しくて冬はあったかいの?」

  • 「高気密高断熱と何が違うの?」

  • 「デメリットの記事が少なくて、逆に不安…」

北山建築にも、ここ数年こういったご相談が増えてきました。
太陽光や高気密高断熱が一気に一般化したように、「通気」「自然な家の呼吸」といったキーワードに興味を持つ方も増えています。

この記事では、

  • WB工法の基本的な仕組み

  • よく言われるメリット・デメリット

  • 向いている人/向いていない人の傾向

  • 三重(松阪・津・伊勢あたり)の気候をふまえた工務店としての考え方

を、できるだけ専門用語を減らしてお伝えします。

※前提として
北山建築は「WB工法専門の工務店」ではありません。
高気密高断熱、ZEH、リノベーションなど、いろいろな工法をご提案する立場から、フラットな目線で「WB工法ってこう見えるよ」という話をしていきます。

1. WB工法ってどんな工法?

WB工法は、「通気断熱WB工法」とも呼ばれる木造住宅の工法です。

一言でいうと、

壁の中に二重の通気層をつくり、家そのものが“呼吸”するように湿気と熱をコントロールする工法

です。

イメージしやすいポイントはこの3つです。

① 二重の通気層(ダブルブレス)

外壁の内側に「空気が通り抜ける層」を2段階でつくり、

  • 壁の中にたまる湿気

  • 夏の熱気・冬の冷気

を、ゆっくり外へ逃がしていく仕組みです。
家の中に“風の抜け道”がもう1本通っているイメージに近いです。

② 形状記憶合金による自動開閉

WB工法では、外気温に反応する金属(形状記憶合金)を使った専用部材を使います。

  • 暑い季節:自動で通気口が「開く」 → 壁の中の熱を逃がす

  • 寒い季節:自動で通気口が「閉じる」 → 余計な冷気を遮断する

という動きをしてくれるので、「窓を開け閉めするような感覚で、壁の中も季節によって衣替えしている」とイメージしてもらうと分かりやすいと思います。

③ 壁内通気を利用した換気システム

WB工法は、壁の中を空気が流れることで、機械だけに頼らない換気を行う考え方です。
法律で決まっている24時間換気の基準も、専用部材を組み合わせることで満たせる工法として認められています。

高気密高断熱との一番大きな違い

  • 高気密高断熱:
    家をできるだけ“箱”として密閉して、エアコンで効率よく温度管理する発想

  • WB工法:
    「適度に逃がしながら守る」=湿気や熱を“ある程度”逃がして、家全体でバランスを取る発想

どちらが正解というより、考え方の軸が少し違う、というイメージを持っていただくと良いと思います。

2. WB工法のメリット|お客様からよく聞く「良かった点」

ここからは、WB工法に惹かれる方が多いポイントを整理していきます。

① 湿気・ニオイに強い家になりやすい

壁の中を空気が流れることで、内部結露(壁の中での結露)を起こしにくく、カビや腐朽のリスクを抑えやすいとされています。

  • 押入れ・クローゼットがジメジメしにくい

  • 収納の奥がカビっぽくならない

  • 「除湿剤を頻繁に変えなくてよくなった」という声もある

といった口コミが多いのが特徴です。

三重のように夏は蒸し暑く、冬は底冷えもする地域では、「湿気の抜け」はかなり大事な要素です。
WB工法は、ここを強く意識している工法と言えます。

② 自然な“サラッと感”のある室内環境

数字上の温度は同じでも、

「WB工法の家の方が、なんとなく空気が軽い」

と表現されることがあります。

  • 湿気がこもりにくい

  • ペットや料理・生活臭が気になりにくい

と感じる方も多く、「におい」や「こもった感じ」に敏感なご家族とは相性が良さそうです。

③ 冷暖房費の削減が期待できる

壁の中でいったん「熱を受けてから逃がす」構造のため、

  • 夏:外からの熱気を壁の中で弱めてから室内へ

  • 冬:室内の熱を外に逃がしにくくする

という効果が期待できます。

また、

  • 機械換気の台数

  • フィルター交換

  • 電気代

などを抑えやすい設計にできれば、長期的なランニングコスト面でもやや有利になりやすい工法です。

④ 構造が長持ちしやすい

木材は「濡れたまま」「湿ったまま」になっている時間が長いほど、

  • 腐朽菌

  • シロアリ

のリスクが高くなります。

壁の中を通気させることで、木材をできるだけ“乾いた状態”に保つ工夫がされているため、構造躯体の寿命を伸ばしたい方にも向きやすいと言えます。

3. WB工法のデメリット・注意点

ここからは、北山建築としてもあらかじめお伝えしておきたい「弱点」や「気をつけたい点」です。
どんな工法にもプラスとマイナスがありますので、落ち着いて見ていきましょう。

① 初期費用が上がりやすい

一般的な在来工法に比べて、

坪あたり 約4〜10万円ほどコストアップ

と言われることが多いです。

  • 30〜35坪の家 → おおよそ120〜300万円前後の差

というイメージになります。

ここで大事なのは、

  • 光熱費やメンテナンスで、どれくらい取り返せそうか?

  • その差額を払ってでも、空気感・湿気対策を優先したいか?

を冷静に考えることです。

② 使える断熱材・内装材に制約が出やすい

WB工法は「通気がちゃんと働くこと」が前提なので、

  • 板状の断熱材(ネオマフォームなど)を使う仕様が基本

  • 透湿性のある内装材(塗り壁や紙クロスなど)を推奨されることが多い

といった特徴があります。

「壁一面タイルにしたい」「全面ビニールクロスにしたい」など、仕上げ材の自由度を最優先したい方にとっては、少し窮屈に感じる可能性があります。

③ 間取り・窓計画を間違えると「思ったほど快適じゃない」

ここは工務店目線で特にお伝えしたいポイントです。

WB工法は、

『通気』+『断熱性能』+『日射取得・日射遮蔽』

の3つがそろって本領発揮します。

例えば、

  • 日当たりが弱い敷地なのに、南面の窓を極端に減らしてしまった

  • 庇や外付けブラインドが弱く、夏の日射遮蔽が足りない

  • 吹き抜け+大開口だけを優先して、上下温度差が大きくなった

といった設計だと、

「WB工法にしたのに、思ったほど快適じゃない…」

という残念な結果になりかねません。

「工法だけWBにすれば、あとは何でもOK」ではない、という点はぜひ覚えておいてください。

④ 施工経験の少ない会社だと品質差が出やすい

WB工法は、

  • 通気層の取り方

  • 防水処理の納まり

  • サッシ周りやバルコニー周りの細かいディテール

といった部分で、現場の理解度・経験値による差が出やすい工法です。

採用するなら、

  • WB工法の施工実績(何軒くらい建てているか)

  • 実際のお住まいの温湿度・光熱費データを見せてもらえるか

  • 不具合が出た時の対応事例をきちんと教えてくれるか

といった点を、しっかりチェックされることをおすすめします。

4. WB工法 Q&A|お客様からよくいただく質問

Q1. 本当にエアコンなしで暮らせますか?

  1. 「エアコンゼロ」は基本的におすすめしません。

WB工法は、

  • 一般的な在来工法よりエアコンの効きが良くなる

  • 使用時間や設定温度を抑えやすくなる

といった意味で「エアコンの負担を減らす工法」です。

ただし、今の日本の夏は猛暑日が続きます。
三重でも35℃超えの日が当たり前になってきました。

WB工法 = 快適性を底上げしつつ、エアコンの負担を減らす工法

であって、

「エアコンがいらない魔法の工法」

ではありません。ここは、工務店としては強めにお伝えしておきたいところです。

Q2. 24時間換気は本当にいらないんですか?

  1. 法律上の基準は満たせますが、設計の考え方は会社によって違います。

WB工法は、壁内通気と専用部材を組み合わせることで、機械換気を使わなくてもシックハウス対策の換気基準を満たせる工法として認められています。

ただ、実務では、

  • 第三種換気を併用する会社

  • WB工法の換気を主役にしつつ、必要最小限の機械換気を足す会社

など、設計方針はさまざまです。

「法律的にどうなのか?」
「設計としてどう考えているのか?」

この2つを、図面打ち合わせの中できちんと説明してもらうことが大切です。

Q3. WB工法にすると光熱費はどれくらい下がりますか?

  1. 断熱性能・家の大きさ・暮らし方によって大きく変わります。

公開されているデータの中には、

  • 延床35坪前後

  • 4人家族

といった条件で、月々9,000〜13,000円前後の光熱費という例もあります。

とはいえ、

  • UA値(断熱性能)

  • 家族の人数

  • 室温の好み(22℃派か、26℃派か)

  • 採用している設備(IH or ガス、エコキュートのグレードなど)

によって結果はかなり変わります。

北山建築としては、

「WB工法にする・しない」より前に、今の暮らし方に近い条件でシミュレーションする

ことをおすすめしています。
同じ三重でも、松阪と津と伊勢で日射・風の条件は微妙に違うので、個別のプランで見るのが一番確実です。

Q4. 「WB工法は寒い」という口コミも見ました…

  1. 寒く感じた理由の多くは、「工法以外の要因」が絡んでいることが多いです。

ネットの口コミには、

  • 「期待したほど暖かくなかった」

  • 「エアコンを止めるとやっぱり冷える」

という声もあります。

その背景としてよくあるのが、

  • 地域に対して断熱性能が足りていない

  • 南面の窓や日射取得が弱い

  • 吹き抜け・大開口で上下温度差が大きい

  • 夜間の暖房運転を極端に控えている

など、WB工法そのものというより、「断熱計画」「窓計画」「暮らし方」の組み合わせで寒く感じているケースです。

「寒いと言っている人は、どんな地域で、どんな仕様・暮らし方だったのか?」

をセットで見ると、口コミの意味合いが変わって見えてくると思います。

Q5. どんな人にWB工法は向いていますか?

向いていると思う方の傾向

  • 湿気・カビ・結露・ニオイがとにかく気になる

  • アレルギーや花粉症など、空気の質に敏感

  • 「自然素材」「呼吸する家」というコンセプトに共感する

  • 長期的な光熱費やメンテナンス費用を重視したい

  • 数字よりも「体感」を大事にしたい

逆に、他の工法の方が合いそうな方

  • 予算がギリギリで、WB工法の追加コストを出せない

  • UA値・C値など“数値”をとことん追い込みたい

  • 壁一面タイルなど、仕上げの自由度を最優先したい

  • 機械設備による制御(全館空調など)を主役にしたい

このあたりは、実際に話しながら一緒に整理していくと納得しやすいところです。

5. 北山建築としての考え方|工法より「暮らし」を先に決めましょう

北山建築では、WB工法に限らず、

  • 高気密高断熱住宅(ZEHレベルを含む)

  • リノベーション+断熱・通気のバランス改善

  • 土地条件に合わせたパッシブデザイン

など、「暮らし方と敷地」に合わせて工法を選ぶというスタンスを取っています。

「WB工法がすごいから採用する」

のではなく、

「○○さんの暮らし・敷地・予算だと、WB工法が一番バランスが良さそうだから採用する」

という順番で考えるのが、工務店としておすすめできる決め方です。

6. まとめ|WB工法は「湿気と空気の質」を重視する人向けの選択肢

最後に、WB工法のポイントをざっくり整理します。

  • 壁の中を二重の通気層でつなぎ、家が“呼吸する”ように湿気と熱をコントロールする工法

  • 湿気・ニオイ・内部結露を抑え、自然なサラッと感のある室内環境が得られやすい

  • 一方で、坪あたり4〜10万円ほど初期費用が上がりやすい

  • 断熱材・内装材に一定の制約が出ることがある

  • 設計・施工の経験値によって性能差が出やすく、会社選びがとても重要

  • 「湿気や空気の質」を重視するご家族には、有力な選択肢になりうる工法

7. 次の一歩|自分たちの暮らしに合うかどうかを一緒に整理しましょう

  • 「WB工法が自分たちに合うかどうか、フラットに意見を聞きたい」

  • 「高気密高断熱との違いを、数字だけでなく“体感ベース”でも知りたい」

  • 「三重(松阪・津・伊勢など)の土地条件を見たうえで、どんな工法が現実的か相談したい」

という方は、ぜひ一度、北山建築の相談会家づくりカフェでご質問ください。

工法ありきではなく、
「あなたの暮らし方・予算・将来設計」から一緒に逆算する。

そんな家づくりを、北山建築がお手伝いできればうれしいです。

北山建築編集部

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